小さな写真館にひとり暮らす“写真レタッチャー (補正加工する人 )”械 は、ある夏の日、森の奥で不慮の転落で怪我をし、胸元に大きな ”傷のある美しい女”キョウコ と出会った。女性恐怖症の械は、馴れ馴れしく付いてくるキョウコに戸惑うも、行く当てが無く困る彼女を仕方無く一緒に住まわせる事に。械はキョウコに頼まれ、画像処理によって傷のない美しい姿を生み出した。その加工された自身の姿に魅了されるキョウコ。しかしSNS上では、ただ美しいだけでは評価されず、皮肉にも、傷ついた醜い本当の姿をさらす事で沢山の人が興味を抱いてくれた。「理想の自分 」と 「現実の自分 」、彼女にとっては世界のすべてであったSNSの中で、二つの自分の溝に挟まり精神的混乱に陥ってしまったキョウコは、やがて、完全に自分の存在意義を喪失する。もはや、自分だけがキョウコを救うことができると感じた械は、まるで、メスに共食いされてしまうカマキリのオスの様に、“死を覚悟して女を愛し、彼女のすべてを写真に収め続ける事を決意した…。
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写真の女
(C)2020 「写真の女」 PYRAMID FILM INC.
2021年1月30日(土)公開